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コンテンツ「実証試験地」

廃FRP漁船高度利用技術開発事業

背景

     FRP(ガラス繊維強化プラスチック)は、高強度、高耐久性かつ軽量であることから、我が国では30万隻を越える小型漁船等に幅広く利用されている。近年、耐用年数が過ぎたFRP漁船の増加に伴い、河川や漁港に廃FRP漁船が放置される事例が多く見られ、FRP漁船の廃船処理が社会問題化、環境問題化している。従来より、FRP漁船の廃船処理に必要な技術開発が行われてきたが、材質が強靱であるが故に、経済的かつ効率的な廃棄処理法が確立されていないのが現状である。

目的および内容

     FRP漁船の廃船処理対策に寄与するとともに、廃船処理したFRP漁船を魚礁、水質浄化材として再利用することで、沿岸漁業の振興に資することを目的とする。そのため、独立行政法人水産総合研究センターは、九州大学先導物質化学研究所、福岡県保健環境研究所、大分県産業科学技術センター、財団法人福岡県環境保全公社、福岡県水産海洋技術センター、社団法人海洋水産システム協会と連携して、以下の項目について技術開発を行っている。

     (1)廃FRP漁船を原形有姿のまま炭化させるFRP炭化技術の開発
     (2)FRP炭化物の安全性、機能性の確認
     (3)FRP炭化物を用いた魚礁の開発
     (4)FRP炭化物を用いた水質浄化材の開発

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図 FRP炭化実験炉
(炭化反応炉の内側寸法:2.5mW×1.5mH×5.0mL)
表 基本的なFRP炭化実験炉の操作条件
操作条件 酸素濃度
(%)
昇温速度
(℃/h)
保持温度
(℃)
保持時間
(h)
炭 化 0.1以下
(注1)
10-50以下 300-950 0.5-30
安定化
(必要に応じ)
0.1-20
(注1)
10-50以下 100-300
賦 活
(必要に応じ)
賦活反応ガス
(注2)
  600-900
注1)窒素ガスで炭化炉内の雰囲気を置換
注2)水蒸気濃度10-20%

FRP炭化実験炉の整備

     財団法人福岡県環境保全公社実証試験地内に整備されたFRP炭化実験炉は、炭化反応炉を中心にガス供給装置(窒素、水蒸気等)、廃ガス処理装置、ガス冷却装置及びこれら装置を連結する各種ガス配管、弁類より構成される。
     FRP漁船は、還元性雰囲気(空気を窒素ガスに置換、無酸素状態)、高温(600-950℃)状態で炭化される。また、炭化反応炉で発生する排ガスは、反応ガス処理装置内で1,200℃の高温で処理され、ガス冷却装置で200℃以下まで急冷された後、外部に放出する等、万全のダイオキシン類対策を施している。

FRP炭化物の魚礁等への利用の可能性

     FRP漁船は、エンジンや漁労機器等の艤装を解除した後、船体形状を保った状態で炭化される。FRP漁船を還元性雰囲気で昇温速度50℃/時間、最高温度950℃、最高温度の保持1時間で炭化させた実験結果に基づき、適切な支持材を使用することにより、ほぼ原形を保持した状態で炭化させ得る可能性が見出された。
     FRP炭化物は、FRPを構成するガラス繊維の周囲に、プラスチック起源の活性炭が付着した形態であることから、藻類等の付着基質として、また、水質浄化材として優れた特性を有することが明らかにされつつあり、魚礁等への応用が期待される。