福岡県では、使用済み蛍光管から蛍光体を回収し、レアアースまで分離精製してリサイクルする仕組みづくり、技術開発に取り組んでいます。
使用済み蛍光管からのレアアースリサイクルプロジェクト
レアアースは、蛍光管やLED等の製造に不可欠な材料であり、近年需要が増大しています。
レアアースが多く使用されている蛍光管は、約3割しかリサイクルされていません。そこで県では、使用済み蛍光管から蛍光体を回収し、レアアースまで分離精製してリサイクルする仕組みづくり、技術開発に取り組んでいます。
レアアースとは
イットリウム、セリウム、ランタンなど17種類ある元素の総称。電気電子製品、自動車などあらゆるハイテク産業分野に欠かせない重要な元素ですが、輸入に依存しており、価格の高騰と供給の不安定化が懸念されています。
蛍光管に使用されているレアアース
*蛍光管1本には2~5gの蛍光体(約70%がレアアースで構成)がガラス管の内側に塗布されている。
蛍光管に使用されているレアアースの価格の推移
使用済み蛍光管からのレアアースリサイクルの流れ
使用済み蛍光管から下記の様々な工程を経て蛍光体を取り出し、さらに各レアアースに分離精製し、いろいろな用途に使えるようします。
全国初!事業化を目指した産学官共同プロジェクトスタート h23.9~
- 福岡県、福岡県リサイクル総合研究センター、三井金属鉱業(株)、日本イットリウム(株)、(株)ジェイ・リライツ、九州大学平島剛教授は、使用済み蛍光管からのレアアースの回収・再資源化に一定の目処が立ったことから、共同プロジェクトを立ち上げました。
- 共同プロジェクトでは、福岡県リサイクル総合研究センターが全体調整、進捗管理などのコーディネートを行い、品質や価格設定の条件等を検討し、平成23年度中の事業化を達成。
- 本事業の市場規模は、九州で1年間に排出される使用済み蛍光管のすべてが回収されれば、レアアースの回収量は約57tと推定。