センター長より

センター長コラム連載始めます!

ホームページのリニューアルに伴いコラムの掲載を始めます。

まずは、直接的にリサイクルに関することを気ままに書く予定です。昔から思っていることや最近の話題などいろいろになるかもしれませんが、気楽にお読みください。

センター長 中村崇(なかむらたかし)の写真
センター長 中村 崇
リサイクルのあり方

リサイクルの本質を書きます。
皆さん資源、特に金属資源のリサイクルについて考えたことがありますか?
このテーマは私がリサイクルに関わり始めた30年前から真剣に考えていたことで、その時自分で出した回答が今でも変わらないと思っています。大体30年も前の考え方が変わらないのは進歩がないのかよほど本質的なものかどちらかです。当然ですが、私は本質と思っています。
よく「リサイクルは経済性がないから」と言われますが、私の意見は「昔からリサイクルは経済合理性があるものを行ってきた」ということです。特に金属素材はそうでした。
ではなぜリサイクルは経済合理性がないと言われ始めたのでしょうか?
答えは簡単です。最近はリサイクルの対象物が変化し、従来は廃棄物処理されていたものを対象とし始めたからです。
図1に日本の循環型社会を形成するための法体系を示します。

循環型社会の形成の推進のための法体系
図1 日本の循環型社会を形成するための法体系

 

基礎は環境基本法と循環型社会形成推進基本法の二つで、その中身は廃棄物処理法と資源有効利用促進法になります。
その他に個別リサイクル法が6つ存在します。一般の方にこの図を説明するときは、「"廃棄物処理法がむち”つまり規制で、"資源有効利用促進法があめ”こちらは"規制を緩和するから頑張ってね”とリサイクルを促進するものです」と話しています。
それぞれの法律について詳細に説明することはしませんが、個別リサイクル法の対象物を見てください。
"容器包装素材、主にプラスチック”"廃家電”"建築廃材”"廃食品”"廃自動車”いずれも比較的嵩張って、どれもなかなか自然にリサイクルされないものです。
つまり何らかのインセンティブを付与しないと循環しないから個別リサイクル法になっているのです。経済合理性がないけどそのまま廃棄すると処分場の確保が大変であり、かつ不法投棄が多く発生するものを対象にしているのです。つまり個別リサイクル法は"経済合理性がない対象物をいかに循環するか”が目的です。
現在でも多くの方がリサイクルとはこのような対象物の資源化ではないかと思っているでしょう。

 

ここにリサイクルの面白さと難しさがあります。廃棄物処理だったら費用がかかるのはしょうがないと思いますよね。

そう考えると"リサイクルは経済合理性がない”という言葉はでないはずですが、一方昔から金属素材は"有料”の資源として昔から循環していました。どうもそのあたりが、意識の中に混在していると思います。

 

現在世間で喧伝されている循環型社会ではすべての素材のリサイクルを目指しています。

当然有償で循環する金属素材やいわゆる廃棄物を対象とし、しかも同一設備で処理することもかなりの頻度で行われてます。

だからこそ今回述べた基本をしっかり押さえて現在のリサイクルを見直すことが重要だと思います。

 

今日はここまでで、次は天然資源と人工資源の違いについて書きます。
最低でも月1回は書き足していきますので、皆さん頻繁にリ総研のHPを見てください。