関係者からのメッセージ
2019年04月01日
新型フォーミング抑制材開発におけるリ総研との共同研究
リックス株式会社
新型フォーミング抑制材開発におけるリ総研との共同研究
リックス株式会社 事業開発本部 技術開発部
(高研株式会社 技術部 部長)
今泉 吉規 氏

2018年度に製品化したフォーミング抑制材(*1)は、1日にトン単位の量を使用するので、廃棄物を使わないとコストが成り立たないため、企業の排出する廃棄物を探していました。
弊社は、中堅クラスの機械系商社ですが、お付き合いの薄い業界には知名度も低く、単独ではなかなか廃棄物の情報を提供して頂けないどころか、”処理業者は足りています。”の一言で電話を切られることも何度かありました。
しかし、リ総研、化繊研との共同研究が始まって、”福岡県との共同研究で・・・”の一言で、この状況はなくなりました。また様々な企業OBのコーディネーターの人脈で、円滑に企業の担当者に連絡が着くなど、これまでの障害物競走が普通のトラック競技に変わったかのような違いに感嘆しました。
原料調達の目処がたった後は、化繊研のより高度な分析、技術アドバイス、機材を活用し、お客様からの要望・制約などは弊社営業部門との社内連携で、無事に製品を開発することが出来ました。
これまで再利用されていない廃棄物を原料として調達する場合、どうしても馴染みのない業界へのアプローチがハードルになると思いますが、この点でリ総研は大きな助力になったと感じています。 また御一緒に製品開発できる機会を楽しみにしています。
*1 鋼を作る工程で発生するガスにより高温で溶融しているスラグが膨らみ、溢れることを防止するもの



リ総研より
廃棄物を削減するために、当センターは、県内の企業様に門戸を拡げてお手伝いしております。
今回、リックス株式会社様より製紙スラッジの代替になる廃棄物を使った「製鋼フォーミング材」の研究会を支援させていただき、福岡県工業技術センター化学繊維研究所の知見もあり、企業で排出される廃棄物に命を吹き込んだ、従来品以上の品質の製品をお客様に納品できたことは非常に嬉しく思っています。
年々歳々、廃棄物は、量を含めて変化していますので、「廃棄物」を数少ない「資源」として生かすために、また県内の企業同志が、ウィン・ウィンになれるように当センターはお手伝いいたします。
担当コーディネーター:樋口 成久
研究成果